コラム
三方五湖自然教室「身近にひそむ生きた芸術 珪藻を観察しよう」を開催しました。
2022年11月23日「身近にひそむ生きた芸術 珪藻(けいそう)を観察しよう」を開催しました。
珪藻の「藻」は、水の中の草や木やら何やら雑多なもの、「珪」は、ガラス質、という意味を持っています。「珪藻とは、水の中のガラスです。」 「???」ですね。今日の講座では、そんな疑問に答えるために、「珪藻を見つけること」「珪藻のガラス部分を見ること」この2つのミッションをクリアしていきます。
【ミッション1「珪藻を見つけよう」】 用意していただいたのは、スーパーで買ってきた煮干しです。煮干しから胃を取り出し、すり潰して、水に溶かし、プレパラートを作成して観察します。さあ、珪藻はいたでしょうか?珪藻はいました!!顕微鏡のピントを合わせるのに苦戦していましたが、ちゃんと見つけることができました。
【ミッション2「珪藻のガラス部分を見てみよう」】 緑色の塊が出てきました。触るとぬめぬめしています。川から採ってきたミズワタという物だそうです。ミズワタをパイプユニッシュ(掃除用洗剤)につけ、不用な部分を溶かした後に珪藻のみを取り出します。そして、くるくるっと遠心分離器を回して余分な水分を抜き取ると完成です。プレパラートを作り、顕微鏡で見てみると、「おおっ」と歓声が上がりました。透明なきれいな珪藻を見つけました。確かに、「珪藻はガラス!!」生きた芸術というのも納得の美しさです。ミズワタクチビルケイソウという珪藻を観察することができました。みんなで協力してミッションをクリアできましたね!!
このミズワタクチビルケイソウは日本国内で困った問題を起こしています。この珪藻が繁茂すると日本古来の珪藻が育たず、アユの餌がなくなるという困った問題が起こるのです。困った珪藻もありますが、珪藻には、石油を作り出す種類もいるということをお話していただきました。「思った以上に色々な色や形があっておもしろかったです。」「学生さんが学んでいる内容を聞けて良かった。」などの感想が寄せられました。
本日の講座は、福井県立大学海洋生物資源学部 佐藤先生に講義をしていただきました。佐藤先生の研究室の学生さんたちもご自分が取り組んでいる研究について紹介してくれました。その他にも、学生さんたちは、てきぱきと実験の準備をしたり、ぴたりと顕微鏡のピントを合わせたりと大活躍でした。そんな大学生のお兄さん、お姉さんの姿に、小学生の皆さんは、憧れたのではないでしょうか。